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第2回 : ハワイ不動産、ここに気をつけて

このコラムでは、ハワイへの進出、又はハワイでの起業に際して必要となる「拠点」、不動産用語では「箱」などとも呼びますが、「大事な自分の城」となります。その選定、確保、開業まで不動産屋の視点と言葉でアドバイスします。

アロハ~、スターツハワイの池田多聞です。前回「ハワイ不動産へようこそ」で、一発目の発信をさせて頂きましたが、今回は“レディートゥーゴー"=投資または進出の準備が整っている方に対して、ぜひ注意および留意して頂きたいポイントを、ハワイの不動産屋の視点で、また今まで見てきたいろいろな事例も踏まえてお伝えしたいと思います。

投資に関して一言申し上げると、まずご自分が購入されようとしている不動産がどういった形態であるかを、事前にしっかり認識しておいて欲しいと思います。日本にも多様な所有形態というのはありますが、一般の方がかかわるのは、そのほとんどが1つの土地と建物を単独で所有する、もしくはそれを区分所有するパターンだと思います。しかし旅行客が滅茶苦茶多い(年間800万人以上、日本人だけでも150万人を超える)ハワイでは、その方達の需要にも応える形で、さまざまな不動産の権利が作り出されており、それが日本からの観光客も含めた一般の方々にも広く紹介され、実際に不動産売買のマーケットを形成しています。

例えば超お金持ちの方が、カハラ地区(故石原裕次郎さんが所有していた別荘や、青木功さんが日本人として初めてPGAツアーで優勝したワイアラエカントリークラブもある地区)で豪邸を購入したいというケースは非常にシンプルで、土地建物単独所有の日本パターンと似ていると思います。でもハワイには、ご自分が所有&利用していても、滞在しているとき以外は毎月の維持費を捻出したいので一般に貸し出したいという要望に応えるホテルコンド(10万ドル台:アラモアナホテル、40万ドル~:イリカイホテル、50万ドル~:トランプタワー)や、弊社が同プロジェクト大手として運営するバケーションレンタル対応可能なコンドミニアムプロジェクト「ロイヤルクヒオ」などもあるのです。

また日本人の方が身近に感じ投資したいと考える対象のワイキキやアラモアナ地区のコンドミニアムも多数ありますが、そこを主たる居住場所として住むハワイの住人は、日替わり感覚で観光客がロビーを闊歩するのを嫌う傾向があり、それを禁じている(最短宿泊日数を1か月と定める等)ものがほとんどです。ご自分は使用しない、つまり完全投資というプランであれば選択肢は多数ありますが、たまには宿泊希望というパターンでは物件は限られるので、これらの詳細については、ぜひ弊社にご連絡いただければと思います。

次にご紹介するのは「タイムシェア」です。これは不動産の利用権利を日数単位で購入するシステムです。近年は整理され、ポイントシステムなどにより、別不動産への宿泊利用や航空券のマイレージへの転用などもできるようですが、僕の周りの方のリアクションはいろいろです。経営者タイプで金銭的にも余裕があり、ご自分でバケーションのスケジュールを決められる方や、毎年ハワイのお盆シーズンや年末年始に決まったスケジュールで来られてこの権利をエンジョイされている方もいます。ですが一方で、新婚旅行や社員慰安旅行などで来られ、舞い上がった気分で「車を買うのと価格的に大差ないじゃない」と購入されたものの、実際その権利を使うことができない、また年間10万円以上の維持費の支払いや、再販するにも二束三文で売れないと苦しんでいる方も多数いらっしゃいます。オーナーさんによっては、とても魅力的なプログラムであるので、ご自分がタイムシェアシステムを使いこなせるのか否かは、ご購入前にしっかり考えて頂きたいのがポイントです。

最後にお伝えしたいのが、アメリカの他州と比較しても、ある意味ハワイ特有と言えるのが、借地権と単純土地所有権の不動産が混在している点です。ハワイは封建制度の導入が遅れたため、アメリカの他州と比べて、Bishop財団やQueen Emma財団など、一定のグループが多くの土地を所有しています。日本であれば、通常マンションを購入した場合は、区分土地所有者として、ご自分の建物占有面積に比例して底地の面積も所有されると思うのですが、ハワイは別に地主がいて、そこへ毎月地代を支払う形式のコンドミニアムがかなりあるのが現実です。これは住宅に限らず、商業不動産でも同じで、ワイキキのメインビルであるBOH Waikiki Centerや現在、改修が進んでいるWaikiki Trade Centerなどもビルの所有者と地主は別という所有形態となっています。重要なのは自分が購入しよう、または借りようとしている不動産権がどこに属しているのかということを、コミットする前に明確に理解して欲しいと思います。

今回のコラムでは住宅色がかなり強くなりましたが、次回は「ハワイ不動産、日米の違い1」と題し、僕の得意分野である商業不動産系の留意点をお伝えいたします。