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住宅物件購入の流れ

住宅物件購入の流れについて

1.購入の相談

ハワイ各地区で不動産協会に登録している会社を選ぶこと。

物件はコンピュータ登録され販売物件、売却事例、建築状況など詳しく、会員には平等に情報が与えられてます。

売主は一社と専任媒介契約しているのが普通ですが、情報公開が基本の国では、売出されていれば、ある会社からしか買えない物件というのはありません。よってどれだけの情報を持っている会社ではなく、あなたの希望を理解し、どれだけ溢れる情報を整理して分析、選択して提示してくれる会社かが問題です。

また米国では「会社」というより、資格を持った個人「エージェント」と取引という感が強いですが、取引責任は会社のプリンシパルブローカーと呼ばれる人の責任になりますので、協会に属して実績ある会社のエージェントに依頼すべきです。不動産協会に属している会社は規則や基準を守るよう義務づけられてるので信用ができます。

依頼の際に大切なことは自分の購入希望を明確にエージェントに伝えることです。何人ものエージェントに声をかけるのではなく、物件情報は平等に出回ってるのですから、一人の信用出来るエージェントに

  1. 予算(頭金・ローン)
  2. 家族構成(ペットも含む)
  3. 使用目的

を伝え徹底的に適した物件を探してもらうことが重要。

米国でローン組めるの?

米国の不動産貸付は通常の銀行ローンから売主による短期ローン、物物交換等様々な方法がありますので、頭金が少なくても遠慮せずに自分の財務状況を申し出て、税金面も考慮し最大限に購入可能性を広げてもらうこと。
米国内では収入なくとも、米国居住者でなくとも、現地での借入は可能です。不動産購入の借入ローンには税金面の優遇も大きいので借入の抵抗をなくして相談してみるとよいでしょう。

2.物件の視察

自分の目で視察することをお薦めします。また物件そのものではなく、周辺の環境、学校区等近隣地質事情も加味すること。ただし、一生ものと気負い込まず、ライフスタイルも変わるだろう5年後売却できるかどうかも考える。売りやすさは特にセカンドホームや投資用として購入目的の人には重要。

オープンハウスとは?

米国では新築物件のみならず居住中物件も、1人でも多くの購入希望者に見てもらう為にオープンします。

通常、日曜日の午後 売主のエージェントが行います。
日本人は知らない人の家に上がるのに遠慮しがちですが、日曜の朝刊でオープンハウスの欄をチェックして、なるべく多くの物件を見て自分でも目を肥やし、気に入った物件があったら後で自分のエージェントに告げて詳しく調べてもらいましょう。

3.購入の申込

購入申込書(Purchase Contract)を作成、提出。

未だ日本では口頭で行われがちな買取意思表示は必ず書面で行われます。どんな価格、条件でもぶつけてみることが書面によって可能。

オファー(申込)を入れる際は価格をまず決めなければなりませんが、その他の細かい条件(希望)も忘れてはなりません。

最初のPurchase Contractに基づき最終決済まで導かれますので、ここでContingencyと呼ばれる条件を、自分の希望に合うようにこの時点で入れておくこと。

ローンが金利何%以下で組めること、為替ルートが決済時にいくら以内であること、法人名義であれば次回役員会で承認されること、などどんな条件でもよい。

条件が満たなければ正当な理由でキャンセルができるようにしておく。

価格だけが交渉でないことも忘れない。そして通常Purchase Contractのフォームでは決済期限項目、清掃シャンプーまで行うか、建物構造検査はいつまでに行うか、白蟻検査の費用はどちらが出すのか等々、決済までの過程の期限や責任について細かく希望条件をオファーするので、十分エージェントと話し合って決済までの過程を理解してからサインすること。

このときInitial Depositとして$1,000 売買代金の5%相当額を預託します。

4.交渉・合意

双方のエージェントは双方の価格、条件での満足に近づけるのが仕事。

この間何度かカウンターオファー(修正申込)をやり取りして、金額等の諸条件を調整しあう。

米国は契約社会。口頭でのオファーは無効。小さな条件でも書面で相手に真剣度を表わすこと。また交渉は楽しみすぎないこと。

カウンターを出してしまえば前の条件でもらったオファーに拘束力は無くなりますので、駄目なら前の条件とおりで受けようなどと考えても相手の気持ちが変わればそれまで。 10分の差で別の人のオファーが受諾されてしまうこともある。

そういったことからも、エージェントと密に連絡を取り合い、決断を早くすることが大切。またその為にはコミニケーション能力と情報収集力を持ち、英語力もあるエージェントが必要。

一旦双方の合意が得られれば、最終承諾書を提出し追加買付証拠金(Additional Deposit)として売買金額の5~10%相当額を預託します。 交渉で合意に至らなかった場合、預託金は返還されます。

最終承諾後の一方的解約は預託金没収や損害賠償の対象になります。

5.エスクローオープン

双方サイン済の売買契約書(Fully Executed Purchase Contract)が作成されれば、エスクローが開設されます。

エスクロー会社を通じて、不動産の権利関係の調査依頼と買主の権利保全の為に権原保険(Title Insurance)の締結等、物件価値に問題がないことを確認します。

その後、エスクローで残代金や負担費用等の取引明細が作成、支払確認がされ、登記への持ち込みまで責任もちます。

登記書類には買主、売主、其々公証人面前でのサインは必要ですが(*)、日本在住者は米国大使館でも行えますのでハワイに居る必要はありません。 1件2~3万円の公証人役場と違い、米国内ならどの銀行内でも”Notary Public”と呼ばれるサイン証明が$10前後でもらえる。

エスクロー開設中に様々の条件を確認していきますが、取急ぎ買主はPhysical Inspection(建造物検査)、ローンの申請等をはじめる。

売主はDisclosure Statement(物件情報告知書)を用意する。これは今では多くの州で義務となっている。

売主の知りうる限りの販売物件の現況を明記する、売却前の2年間は水漏れがあった事実から自殺があった、幽霊がでる等まで知ってる事は隠してはならない。

この書類の本来の目的は買主を保護する為だが、一旦買主がDisclosure を承認すれば後で売主にその事実についての訴訟等はできなくなるので、売主の保護にもなる。

コンドミニアム等の場合は、Purchase Contract内で要求されてる建物登記書類なども用意し買主に十分な情報もあたえる。

こういった書類の未完備、内容未承認もキャンセルの原因になる。

エスクロー制度(Escrow)とは?

日本でも米国でも、不動産取引には非常に複雑な手続きや管理が必要なので専門家が必要になります。

米国での不動産取引においての不動産業者は、あくまで仲介だけを行い売買決済までは関与しません。また登記確認に司法書士の立会いもありません。

権原保険(Title Insurance)とは?

エスクロー会社が不動産の所有権に欠陥があることを見落とし、買主が不利益を被る場合、タイトル保険会社がその損害を保証してくれます。

米国では権原保険に入ることは常識になっており、契約時にコンドミニアム1室なら$250位で簡単に加入できます。

6.クロージング

売買契約の条項が履行、または履行準備完了が確認できれば(マイナーな条件であれば残金を一部エスクロー口座に残して履行を約束する)精算金を支払い決済。そしてエスクロー会社が権利移転登記を代行します。

この日も本人の立合いは不要。登記申請が確認されると、エージェントが鍵の授受を代理し、買主に物件が引き渡されます。