新型コロナが観光直撃　イベント中止、航路大幅減

世界保健機構(WHO)が7日に発表したところによると、世界の新型コロナウィルス感染者数は10万人超で、そのうち8万人以上が中国で確認されているが、米国を含む世界93ヵ国に飛び火していることで、日増しに懸念が強まっている。

新型コロナウィルスの伝播危機はハワイにも迫り、先週は6月に予定されていた、第13回フェスティバル・オブ・ザ・パシフィック・アーツ＆カルチャーの組織者が、イベントの延期を発表した。
またハワイ州観光局の最高経営責任者クリス・テイタム氏は先週、新型コロナウィルスへの懸念を理由に、今年はプリシーズンゲームの招待を中止する方針を、NBAのロサンゼルス・クリッパーズに伝達。そのあとには、人気歌0手のマライア・キャリーさんが、3月に予定していたコンサートを11月に延期すると発表した。
そのほかには、6日から8日に開催される予定だった、第26回ホノルル・フェスティバルも中止となった。
ハワイ・ロッジング＆観光協会のムフィ・ハネマン会長は、4月から6月ごろまではさらに多くのイベントが中止になる可能性が高いと語った。

そのような状況に対応するため、航空会社は減便や運休などの対応策を取っている。
ユナイテッド航空は6日、4月から国内路線で10%、国際路線では20%減便する計画を発表。ハワイアン、大韓、アシアナ各航空も、韓国ーハワイ路線で減便する方針を明らかにした。
ハワイアン航空はさらに、ホノルル、ハワイ島コナと羽田間の路線で、今年28日から4月29日にかけて一部の便を減らす予定。
航空会社はその間、搭乗券の大幅な割引などで、旅行の促進を図っており、例えばハワイアン航空は、ハワイー本土間の航空券を99ドルで発売している。
ホテル業界とクルーズ業界も同様のディスカウント戦略を展開、ヒルトン・ハワイアン・ヴィレッジ・ワイキキ・ビーチ・リゾートは6日、宿泊料金を30%割り引く計画を発表した。

観光カウンセリング会社、KV＆アソシエーツのキース・ヴィエラ社長は、このような戦略は観光景気の落ち込みで効果を示す一方、長期に続いた場合には、従業員のレイオフや就業時間の短縮、宿泊客へのサービス低下に結びつく可能性もあると警告している。

参照）The Hawaii Hochi / March 11, 2020