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第6回 : ハワイ不動産、許認可事情

このコラムでは、ハワイへの進出、又はハワイでの起業に際して必要となる「拠点」、不動産用語では「箱」などとも呼びますが、「大事な自分の城」となります。その選定、確保、開業まで不動産屋の視点と言葉でアドバイスします。

“ハワイアンタイム"にご注意

現在、僕が開発と仲介にかかわっている339 Royal Hawaiian(旧焼肉ひろし)プロジェクトです

アロハ~。スターツハワイの池田多聞です。アラモアナエバウィングの白木屋プロジェクトは、当初の発表通り、6月中のオープンを実現しましたね。さすがはハワイの開発王と呼ばれる関口さんです。繰り返しになりますが、ハワイではこの規模の事業を事前の公表したスケジュール通りに進めるというのは至難の業で、それを達成できたのは素晴らしいことだと思います。みなさんは“ハワイアンタイム"という言葉をご存知ですか?何となく心地良い響きですが、日本的に言わせてもらえば、いや、世界標準(先進国)で翻訳しても「いい加減」という言葉がピッタリです。僕のクライアントで「フランスも相当ひどい」と言われた方がいましたが、まあ期日を守らないという点では双璧でしょうか。

この州民性を反映してか、建築申請の受理および同許可を受持つ、ホノルル市のDepartment of Planning and Permitting(DPP)も最悪です。申請に対する対応がとてもスローで、多くの事業者の悩みの種となっています。典型的な地方公務員が定時限定にて自分のペースで仕事をこなすというスタンスなので、申請書類がどれだけ溜まろうが関係ないといった感じです。ワイキキに関してはこれに輪を掛けてWaikiki Special Districtの特区許可が必要となるため、日本では考えられないような規制(看板や外壁デザインなどの外観、レストランを営業する場合の排気システムの徹底など)が存在しますので、事業進出を考えている方はそれらの制約につき的確にアドバイスしてもらえる、または周知の上で、具体的に申請を進める際に、ホノルル市とより良いパイプのある設計士にヒアリングと許可申請を依頼することをお勧めします。僕にご相談頂ければ、実績そして評判に太鼓判を押せる設計士を複数ご紹介いたしますし、誌面上では触れませんが、“イエローカード"“レッドカード"の方達についても具体例と共にご説明させて頂きます。

尚、現在、ホノルル、特にカカアコ地区のコンドミニアムの建設ラッシュですが、正式な許認可が下りる前に必要な工事を進める開発業者は多々存在します。仮に、許認可前工事のペナルティーを支払うことになっても、早くプロジェクトを竣工させ、各ユニットを引渡すことができれば、その方が事業収支の改善につながるからです。それほど、ホノルル市の許認可システムは程度が低く、対応が遅い旨を理解の上、進出計画を進めて頂ければ、その後のサプライズは少ないと考えます。

第三者機関“救世主"とは

もちろん、ホノルル市のこうしたスロー対応への救世主も存在します。Third Party Review(er)なる市当局以外の第三者機関による申請図面の審査システムです。Electrical(電気関係)、Mechanical(空調や配管関係)の図面は、このThird Partyの精査で申請を進めることができます。さすがにFire Department(消防関係)のそれは、ホノルル市側の審査待ちとなりますが、それでも彼らを活用することで、許認可の発行が数ヶ月早まる事実があります。費用は事業規模によって幅があり、3000ドル+と思いますが、開業できずに発生する空賃料と比較検討すれば、その採用価値は大いにある場合が多いです。

新しいお店を開業するのに最低1年は掛かるのでは?とお聞きになるクライアントがいらっしゃいますが、自身の経験から申し上げると、開業までの流れは以下の通りです。

1. 図面を引く(1ヵ月)

これはPrime「主担当、まとめ役」であるArchitectが基本図面を書き、それを基にElectrical Engineerが電気図面、Mechanical Engineerが空調、配管図面、場合によってはStructural Engineerが躯体図面を作成します。

2. 許認可申請と同時に着工(6か月)

建築許可を取得してから工事に掛かるようなスケジュールを組む方は、ハワイではほぼおりません。またホノルル市と良い関係にある施工業者を選定すれば、許認可前の工事についてもCourtesy Inspection「正式な許認可前の検査、工事継続を容認する」という形でいろいろ便宜を払ってくれます。嫌な世界ですが、ホノルル市の建設はコネがものを言います。そうすれば半年以内での改修竣工&開業も不可能ではありません。僕がクライアントのリース契約に際して条件交渉する場合にもこの6か月をベースとして交渉することが多いです。もちろんできるだけ長く、契約締結後、開業までのフリーレントをもらえればベストなのですが、家主としては逆に一日でも早く賃料を発生させたいというのが基本マインドです。

僕の交渉においては、家主が嫌がるフリーレントを極力延ばさず、契約有効日(Effective Date)や契約開始日(Commencement Date)を意図的にクライアントさんが希望する開始日まで可能な限り先送りにして、その代わり1.リース契約書へのサイン(Fully Executed Lease)、2.敷金の支払い(Paid Security Deposit)、3.家主が要望する保険証書(Certificate of Insurance)の提出を前提条件として、賃料発生前に事前アクセス(Early Access or Possession)を了解してもらい、改修を開始するというパターンがあります。実質のフリーレントなのですが、名目上のそれを家主に認めさせるよりはとても実現の可能性が高く、有効な交渉手法です。まあ、開業してからが本当の勝負なので、それまではできるだけスムーズにことが運ぶようにするのが、仲介だけでなく、その後もクライアントをサポートする僕の役目だと思います。