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第11回 : ケーススタディー後編~レストラン運営~

このコラムでは、ハワイへの進出、又はハワイでの起業に際して必要となる「拠点」、不動産用語では「箱」などとも呼びますが、「大事な自分の城」となります。その選定、確保、開業まで不動産屋の視点と言葉でアドバイスします。

アロハ~。スターツハワイの池田多聞です。先日の選挙では、トランプさんが次期大統領に決まってしまいましたね。ローカルな話題としては、ホノルル市もレイル推進の市長が勝っちゃいました。鉄道に関係ないハワイカイやノースの人達はさぞご立腹と思いますが、一部の建設関係者達はさぞHappyなのですかね・・・。東京オリンピック並に、当初予算から膨れた工費を固定資産税をも財源にして賄う、なんてアホなこと言っていますが、ここはホノルル不動産協会に頑張ってもらって、そんな簡易なやり方より、ぬるま湯につかった状態のバスの運転手や交通チケットを切るしか脳の無い警察官(Not警部クラス)の雇用&給与体系を見直して、市政を改善してもらいたいと思います。

レストランの運営における重要事項

クライアントさん紹介
イートンスクエアのおむすびGABAのオーナーと記念撮影!

さて本題に入ります。まず最初にお詫びしておきますが、前回説明しきれなかった部分もあり、多少「開業」と、今回のテーマである「運営」がかぶっているのでご了承下さい。具体的な例を挙げると、1,000sf(約28坪、93平米)の居酒屋を、キング通り沿いで開業に漕ぎつけた僕のクライアントAさんは、1.飲料&食材の仕入れ、2.従業員の確保の問題にぶつかります。居酒屋なので、酒、肉、魚、野菜の仕入れ業者とうまくやっていくことが必須です。

飲料&食材の仕入れ

まず酒類ですが、その銘柄毎に、独占的なハワイの販売権を有する会社がいます。Aさんの場合は、自分の居酒屋で提供したい銘柄に応じて、日本酒や焼酎に強い日系貿易会社と商談をしたり、ワインに関してはハワイの貿易会社と交渉して、その仕入れルートを確立する必要があります。韓国焼酎など銘柄によっては、カヘカのドンキホーテで購入した方が専任業者からの仕入れ値より廉価な場合もあるそうですが、居酒屋のように、それをお客さんにマージンを上乗せして販売する場合は、卸し業者からの購入ルートで行なうように義務付けられているとのことです。ちなみに、Aさんが取得したリカーライセンスはGeneralと言われるもので、お酒はビールからワイン、焼酎、ウィスキーなどのハードリカーまで販売でき、提供時間は午前2時まで可能です。リカーライセンスは、同申請準備に1カ月ほど。そして第一回公聴会で反対がなければ、その8週間後の第二回公聴会後にライセンスが交付されます。それでも、そのプロセスに3カ月弱かかるので、スペースを確保するリース契約を締結したら、早めに申請することをお勧めします。また肉、魚、野菜に関しては、成功している僕のクライアントから、常に複数の業者とパイプを持ち、仕入れの価格が上がったり、搬入された品物の質が下がったら、競合他社へ取引を移すという牽制機能&経営が必要だと聞いています。

従業員の確保

そして従業員に関しては、開業時のオープニングスタッフの顧客への対応が非常に重要となります。僕のクライアントでも、過去にレストランを開業し、料理は美味しいと好評ながら、一方で「なかなか注文を取りに来ない」「オーダーしたものと違うものを運んできた」、極めつけは「請求書の金額が間違っていた(金額が高かった)」と酷評され、その後閉店に追い込まれた方もいます。カハラのハンバーガー屋やキング通りにあるラーメン屋なども、開業時には長蛇の行列ができていたのに、その後半年もすると閑古鳥が鳴いている店をよく見かけます。食べること以外、それほど娯楽がないというハワイの特性はあるのかもしれませんが、それを乗り切ることが重要で、興味本位でやって来る一巡目のお客さんを、いかにしっかり虜にするかというのが、そのお店を成功させる鍵なのではと考えます。でもそれを実践し、日々進化して成功を収めているオーナーは、僕のクライアントに多数いるのです。レストランのフロアーで従事するウエイトレスやウエイターは、ハワイ州の定める最低賃金で働いている人が多数いると聞きます。それを聞くと「そんなんで生活していけるの?」と疑問が生じるかと思いますが、チップの制度が慣例化しているハワイでは、繁盛店で勤めた場合、一晩の割り当てチップが100ドルを越えることはざらだと聞きます。だから開店時に、顧客サービスが充実したスタートを切れば、多少味に難があっても、お客がたくさん来る→チップが高い→レベルの高いサーバーが集まる→レストランのサービスがさらに向上する→リピート顧客の増加、というプラスの上昇スパイラルに乗ることができます。

件のAさんは、自分の居酒屋を開業するにあたって、従業員の募集を掛け、まず採用したスタッフによる試運転を開始しました。慣れない厨房シェフやフロアーサーバーの実践トレーニングも兼ねて、Aさんの友人や知人のみを招待して、ソフトオープニングを1週間実施したのです。そして閉店後にはその日の問題点をスタッフ皆で共有し、改善する努力を重ね、いよいよグランドオープンに漕ぎつけました。完璧とは言えないものの、ソフトオープニング初日よりも格段にスムーズとなったグランドオープンの日は、訪れたお客さんの反応も上々で、このまま上昇スパイラルに乗り、繁盛店としていくこととなると思います。